西尾元 「死体格差」
西尾元 「死体格差」双葉社
死の真相を求めて、粛々と解剖を行う法医解剖医。「死」から世間を見ると、どういう景色が見えるのか。解剖のことのみならず、死を通して気がついた社会問題を実例を挙げて紹介している本です。
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死体検案書を書くときに心がけていることは何か。作者の死者や残された方への優しさ、世の中を良くしたいという静かな情熱をヒシヒシと感じます。
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有名な事件もいくつも出てきますし、日常を過ごしていては知ることのできない裏側も。
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解剖は、目的によっていくつか種類がある。
老いによる死、孤独死、認知症による死。
解剖率は県により格差がある(高いのは神奈川県。最下位は広島県)。
解剖医はまだまだ足りない。
幸せな死とは。
死に方は誰にも選べない。
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毎日死を見ている作者の死生観がとてもはっきりしています。→死を意識せずに、最期まで精一杯生きる。今目の前にある現実を懸命に生きる。
歌野晶午 「葉桜の季節に君を想うということ」
文藝春秋
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あぁ、思い込みって😱
ああなっても、あれできるものね!謎
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読み始めたときと、読み終わったあと。頭の中で描いていたあれこれがひっくり返りました。真相を知ってから再読 したくなるミステリーです。どちらも驚きが待っていますが、私は乾くるみ の「イニシエーションラブ」のほうが驚いたかな💓
2003年3月の作品です。携帯のアンテナの数とか、懐かしい!笑
東野圭吾 「虚ろな十字架」
東野圭吾 「虚ろな十字架」光文社文庫
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死刑制度、罪の償いについて。死刑賛成派の意見でなるほど、と思ったことがありました。もし自分の身に降りかかってきたら、と考えさせられます。また贖罪は、塀の中ではできないこともあるのでは、というのも新鮮でした。考えれば考えるほど難しく、答えがない問いではありますが、自分の意見を持っておきたいです。
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2014年5月の作品、2017年5月に文庫化されています。
西加奈子 「まにまに」
西加奈子さんの#エッセイ 初めてです💓
目次を開いて驚いたのは、タイトルの潔さ!多くは六文字以内で、こざっぱりしているんです。あまりに短いから、どんな内容なのか、読み始めるまでさっぱり分からない。だからこそ最初はワクワクし、意外な展開に驚いたり、優しい締めくくりにホッとします。ユーモアのセンスも光っているし、好奇心旺盛で話題も幅広く、飽きることなく読み進めました✨
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まずは、西さんの#日常 のこと。それから、西さんの好きな音楽や本についてもまとめられています。#津村記久子 さんの大ファンとのこと!山崎ナオコーラ さんの本も「自由を輝かせるセンスが爆発している」と大絶賛💓なんだかとっても嬉しい。海外の本もたくさん。
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作家さんの日常の顔や考え方を覗き見して、小説を読む楽しみが倍増しました☀️
原田マハ 「独立記念日」
php文芸文庫
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様々な年代の女性が、悩みや迷いから解き放たれて独立していく物語。ややこしい悩みを自分の心の中で大事にする人もいれば、人に話して前進する人も、出会いによって新たな扉が開く人も。そんな人々の新しい一歩を、応援したくなる物語です。
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24話の短編集なので、一話が10ページほどでとても短いです。でも、前話に出てきた脇役が、次の話では主役に!全てがゆるくつながっていて、みんなが何らかの形で笑顔がなります。この幸せの連鎖がこの本の魅力なので、時間を置かないで次々読むことをオススメします😊💓
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会社のお手洗いで、小さな季節のお花をそっと飾る方、その小さな優しい気持ちに気がついてお花を大事にする方。「缶椿」という物語が好きでした💕
伊集院静 「人生なんてわからぬことだらけで死んでしまうそれでいい」
伊集院静「人生なんてわからぬことだらけで死んでしまうそれでいい」文春文庫
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タイトルが激しくて笑ってしまいました😅「週間文春」での連載が一冊に。読者からの悩み相談に、伊集院さんが答える形式です。次はどんなふうに答えるかな、と予想しながら読み進めましたが、これが思いもよらないような答え方だったりして!一言でまとめてしまうと、、豪快です😆
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不思議なことに、この本にも「放っておく」という言葉がありました。あまりいじくらないで、塩漬けにしちゃうのも良いのかも💓
人生なんてわからぬことだらけで死んでしまう、それでいい。 悩むが花 (文春文庫)
- 作者: 伊集院静
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/04/07
- メディア: 文庫
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柚木麻子 「BUTTER」
柚木麻子 「BUTTER」 新潮社
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木嶋佳苗 事件をモチーフにした、表紙だけでなく、中もコッテリとした物語。数々のバターが入るお料理、そしてテーマがいくつも盛り込まれていて、読み終えるのに一週間もかかるほど、それはそれは濃厚でした😅
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女同士の友情、マウンティング、母娘関係、父娘関係、職場の人間関係、恋人との距離感、多様化した家族の形態。実態がないイメージに振り回され、世間で良いとされる価値観ばかりに手を伸ばし、それを手に入れるプレッシャーで苦しめられている現代人の焦りをじっとりと描いています。多くの人はどうにかバランスを取りながら今日を生き、その匙加減が出来なくて暴走する人もいて、それは紙一重なのかも。
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柚木さんの女性の内面を観察する鋭い目線は変わらず💓彼女らしい締めくくり方だったかな!さて、次はアッサリした本に!笑