今日はどんな本を読もう?

目指せ年間300冊!小説、ノンフィクション、新書を紹介します。

西尾元 「死体格差」

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西尾元 「死体格差」双葉社 


死の真相を求めて、粛々と解剖を行う法医解剖医。「死」から世間を見ると、どういう景色が見えるのか。解剖のことのみならず、死を通して気がついた社会問題を実例を挙げて紹介している本です。

死体検案書を書くときに心がけていることは何か。作者の死者や残された方への優しさ、世の中を良くしたいという静かな情熱をヒシヒシと感じます。

有名な事件もいくつも出てきますし、日常を過ごしていては知ることのできない裏側も。

解剖は、目的によっていくつか種類がある。
老いによる死、孤独死認知症による死。
解剖率は県により格差がある(高いのは神奈川県。最下位は広島県)。
解剖医はまだまだ足りない。
幸せな死とは。
死に方は誰にも選べない。

毎日死を見ている作者の死生観がとてもはっきりしています。→死を意識せずに、最期まで精一杯生きる。今目の前にある現実を懸命に生きる。

 

死体格差 解剖台の上の「声なき声」より

死体格差 解剖台の上の「声なき声」より